英国のGBC(グリーンビルディングカウンシル)によると、ビルから排出されるCO2の約85%が、ビルの入居者の活動から発生している。世界のCO2排出の約30%を日々排出する不動産(建設を除く)の脱炭素化の推進のためには、オフィスに入居する企業やその勤務者と連携のための有効な動機付けと、その方法が不可欠である。
GOYOHと住環境計画研究所はこの課題を解決するため、環境省「ナッジ×デジタルによる脱炭素型ライフスタイル転換促進事業」の一環として、ナッジを活用したゲーミフィケーションによるオンラインプログラムをビルオーナーと連携してオフィステナントへ提供する実証を行った。脱炭素へ繋がる行動変容を促し、オフィステナントによる行動変容を解析し、有効なモデルを構築するための実証実験を東京都江東区の大型オフィスビルのKDX豊洲グランスクエアにて行った。実証実験の結果として、ナッジ(損失フレーム)を活用した場合でのテナントの脱炭素行動への参加率は、通常の2.4倍を記録するなどの効果が確認できた。当成果をより広く今後社会実装へと繋げるべく、アイディアを発表する。
- 論題
- オフィステナントの脱炭素化を促進する「ナッジ x デジタル」ゲーミフィケーション
- 著者
- 伊藤幸彦,平山 翔 ,矢田 麻衣,土屋 友和,岩本 学
- 掲載誌
- BECC JAPAN 2023