本調査では、わが国における将来のライフスタイル注1)、技術進展を考慮した家庭用エネルギー需要を把握することを目的に、シナリオ分析による将来予測を行っている。
その結果、ライフスタイルの変化は、家庭用エネルギー需要に影響を与えることが分かった。更に、省エネ政策の強化や高効率給湯器の普及拡大は、エネルギー削減に大きく寄与することも明らかとなった。今回の結果より住宅、設備機器の高効率化はエネルギー需要の削減に非常に有効であると共に、ライフスタイルの変化などの影響はエネルギー需要の変動要因となることから、今後のエネルギー政策を考えていく上では、これらの要因も考慮した施策を検討し、定期的に評価していく事が重要と考えられる。
注1)
ライフスタイルには多様なものがあるが、このうち本論では、エネルギー消費の使い方及び社会構造の変化が、エネルギー消費に大きな影響を与えると考えられる項目をライフスタイルの変化として扱う。
- 論題
- 2015年のライフスタイルと家庭用エネルギー消費に関する調査 -(第2報)シナリオを用いた将来予測結果-
- 著者
- 水谷傑, 中上英俊, 室田泰弘, 村越千春, 中村美紀子, 平山翔, 岸田真一
- 掲載誌
- 社団法人空気調和・衛生工学会, 学術講演会論文集, pp.1485-1488, 2008.08