ソーラークリニック

発電シミュレーションにおける推定方法について


水平面全天日射量推定式の作成

 全国68地点の地上気象観測データをもとに水平面全天日射量の推定式を作成しています。 1995年から2009年(最長)のデータを使用し、月別に推定しています。

  Y = f (理論直達日射量, 理論散乱日射量, 日照時間, 降水, 積雪)

 ※推定精度はR2=0.87~0.96程度です。

全国約840地点の水平面全天日射量の推定

 全国約840地点のアメダスの日照時間等をもとに、同じ気候区分にある最寄り地点の推定式を使用して、水平面全天日射量を推定しています。

斜面(パネル面)日射量の推定

 太陽光発電システムのパネルは通常、一定の傾斜角をつけて設置されています。そのため、パネル面が受ける日射量を推定する必要があります。

 斜面(パネル面)日射量の推定には2段階あります。

<1. 直散分離>

 水平面全天日射量を、直達日射量と散乱(天空)日射量に分離するために、Erbsモデル(*)を使用しています。

* Erbs, D.G., S.A.Klein, J.A.Duffie, Estimation of the Diffuse Radiation Fraction for Hourly, Daily and Monthly Average Global Radiation, Solar Energy, Vol.28, No.4, pp.293-302 (1982).

<2. 斜面(パネル面)日射量計算>

 分離した直達日射量と散乱日射量から、各方位・角度における斜面(パネル面)日射量を計算します。ここでは Perezモデル(*)を使用しています。

* Perez, R., R.Seals, P.Ineichen, R.Estimation and R.Stewart, Modeling Daylight Availability and Irradiance Model for Tilted Surfaces, Solar Energy, Vol.44, No.5, pp.271-289 (1990).

 ※各モデルについては、(社)日本建築学会「拡張アメダス気象データ」のマニュアルを参考にしました。

予測発電量の算定

 推定した斜面(パネル面)日射量から以下の式で予測発電量を算定します。

  発電量(kWh) = 斜面(パネル面)日射量(kWh/m2)×システム出力係数×パネル容量(kW)÷標準日射強度(kW/m2)

 ※標準日射強度 = 1 システム出力係数 = 0.8(年間一定) としています。

 ※システム出力係数(損失)に関する、メーカーシミュレーションとの違いについてはこちらもご覧下さい。

<更新履歴>


2007年6月29日

 アメダスで使用されている日照計の一部は、地上気象観測所(気象台)で使用されている日照計と原理が異なり、 春から秋にかけて、日照時間が短めに観測される傾向があることが明らかになりました。 (気象庁による解説:PDFファイル)

 気象庁は2005年度より順次、日照計の切り替えを進めており、切り替えの完了した地点では、 過去のデータと直接比較が困難となります。そこで当サイトでは、気象庁発表の補正係数を参考に、 過去を含む全データの改訂を行いました。

[補正方法]
  1. 気象庁発表の日照時間補正係数により、月・旬別の補正日照時間を算出し、月別に合計する。
  2. 日射量観測地点で、全天日射量の日照時間による単回帰式を作成する。
  3. 補正前日照時間と補正後日照時間を、最寄の日射量観測地点の単回帰式(2で作成)に導入し、推定日射量(補正後、補正前)を得る。
  4. 補正後日射量の補正前日射量に対する比を、補正係数とする。
  5. 補正係数を従来の推定日射量に乗じて、補正後推定日射量とする。

 この結果、地上気象観測所以外の約690地点で、4月~9月の推定日射量が増加しています。 とくに6月は平均で約13%の増加となっています。4月、9月は+3~+4%です。 また、改訂に伴い、基準発電量の全国平均値は2006年の場合、約2%の増加となっています。 鹿児島県南部など、一部の地域では補正が行き過ぎと思われる地域がありますので、引き続き より適切な補正方法について検討して参ります。

2010年5月9日

 水平面全天日射量推定式を全面改訂しました。