SOLAR CLINIC

余剰電力の販売単価での購入はいつまで?

電力会社は1992年度から太陽光発電からの余剰電力を購入単価水準で買い取っています。
これは規制によるものではなく、電力会社の自主的な制度です。また、長期間の買取を 保証したものではありません。当時の電力会社の発表資料は入手していないのですが、 環境庁(当時)の文献(※1)における引用によると
「太陽光発電、風力発電について、今後の技術開発によって商用化が図られるまでの間は、 お客様に販売している契約種別ごとの電力量料金単価で購入する。」
とのことです。
※1 環境庁地球環境部「太陽光発電システム導入マニュアル」平成7年11月

「商用化が図られる」のはいつ頃でしょうか。
予測はできませんが、国や業界の目標として次のような資料(※2)があります。
住宅用システム価格 モジュールコスト 発電コスト
2000年 82万円/kW 140円/W 70円/kWh
2005年 37万円/kW 100円/W 30円/kWh
2010年 30万円/kW 75円/W 25円/kWh
2020年 20万円/kW 50円/W 15円/kWh
※2 PVTEC「PVTECニュース」2001年12月号
2020年の発電コスト(15円/kWh)でも既存の発電所に比べて割高です。 ただし、これは住宅用のコストであり、事業目的で太陽光発電所を 設置する場合はスケールメリットなどである程度の低コスト化が可能 でしょう。「商用化が図られる」段階と言えなくもありません。

では商用化までの20年程度は現状維持を期待できるでしょうか。
仮に2020年の家庭用電力単価を20円/kWhとします。太陽光発電が15円/kWh なら設置した方が得ですから、住宅の標準設備になるでしょう。 その時、電力会社は余剰電力を20円では買い取れません。 自分が売る電気より安い電気を生産する人から高く買える はずはありません。 従って、最長でも発電コストが家庭用電力単価水準に低下する頃 まではないかと思われます。上の目標でみると2010年頃です。

その家庭用電力単価は料金引き下げにより低下しています。
この7年で買取価格の目安である、従量電灯の第2段単価は3円(約12%)、 時間帯別電灯(夜間8時間)では4円(約13%)も下がっています。 一般には喜ぶべきことですが、太陽光発電ユーザーにとっては複雑です。 設置時に期待された太陽光発電のメリットも減少してしまったからです。 今後も料金引き下げが続くとさらにメリットは減少しますが、発電コスト との差も広がり、現行の買取制度が延長される可能性もあります。




本来、設置時期(負担額)によって期待される買取価格は異なります。
負担額に応じて買取価格が設定されれば、早い段階で設置した人が不利にならず、 コストダウンを見越した買い控えもないでしょう。現状の電力会社のボランタリ ーな制度の範囲で考えると、せめて買取価格を下げる場合は新規設置者のみとし て欲しいところです。
ただ、電力会社に要望するだけでは問題の本質に近づけないので、引き続き考え ていきたいと思います。

[2002.9.27]