当研究所のミッション

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堅実なフィールド調査に基づき、家庭用エネルギーを調査・研究

住環境計画研究所では、(1)家庭用エネルギーに関する調査を軸として、(2)省エネルギー・温暖化対策への政策検討支援、(3)海外におけるエネルギー政策・動向調査、(4)アジア地域の省エネ計画、(5)業務用エネルギー・ESSOに関する調査、(6)エネルギー設備・機器・システムの性能評価という6分野の調査研究を手掛けています。

中でも(1)家庭用エネルギーに関する調査は当研究所が最も得意とするところです。当研究所は1984年から30年以上にわたり、家計調査(総務省)とクライアントの皆様からご提供頂いた情報をもとに家庭のエネルギー消費量を推計した「家庭用エネルギー統計年報」を発行し続けてきました。この統計は家庭用エネルギーのデータベースとして、エネルギー会社、官公庁等から評価いただいており、ご依頼に応じてさらに詳細の調査も行っています。

当研究所の調査の特徴は、各家庭でのエネルギー消費の実態を知るため、手間を惜しまずにデータを収集している点にあります。たとえば、各家庭の電気・ガスの消費量は光熱費から逆算することが可能ですが、「各家庭で電気をどの家電製品で消費したのか」まではわかりません。当研究所では、そうしたデータを手に入れるため、家電製品に計測器をとりつけて製品ごとの使用時間や消費電力を調査したり、アンケート調査を行ったりといった、フィールド調査を行っています。このような地道な作業により、既存情報からの推計ではカバーしきれない、機器やライフスタイルとエネルギー消費の関係を明らかにしているのです。

「どこよりも確実なデータを届ける」ことが、当研究所の使命

エネルギー問題は日本のみならず21世紀の世界における重要な課題であり、当研究所以外にも、関連の研究に取り組んでいる大学や研究所は数多く存在します。しかし、前述したように家庭のエネルギー消費の実態は地道なフィールド調査によってしか手に入らないため、日本ではまだ十分なデータが共有できていないのが実情です。そのため、残念なことに精度の低いデータや、推測に基づくデータを使い研究を行わざるを得ないケースも多く見受けられます。いうまでもなく、どれだけ優秀な研究者も、正確なデータを使わなければ適切な成果を出すことはできません。

こういった課題を解決するために必要なのが、当研究所のように家庭用エネルギーの調査に特化した技術者集団であると私は考えています。確実なデータを集めるという仕事は、一見すると単純な作業に思われるかもしれません。しかし、調査対象が一般家庭であるだけに、アンケートの質問ひとつとっても、適切な文言を選ばなければ精度の高い回答を得られないという難しさがあります。調査の中で生じるデータの真偽を見極め、適切に評価するためには独自のノウハウが欠かせません。その点において、30年以上にわたりデータとノウハウを蓄積してきたことは、当研究所ならではの強みであると自負しています。

日本のエネルギー統計の在り方に一石を投じる

エネルギー問題が重要度を増す中、日本も国家主導で家庭用エネルギーを詳細に調査し、データを共有すべきではないか。――当研究所は長年独自に調査研究を行いながら、このような提案を官公庁に対して行ってきました。

その長期にわたる提案がついに結実し、現在、当研究所は官公庁からの依頼を受けて家庭用エネルギーに係る詳細の調査および統計の作成を行っています。これにより、今後は家庭用エネルギーの実態が公的な統計として作成・公表されるようになるでしょう。このことは日本のエネルギー・環境対策にとって大きな前進であると同時に、我々研究者が行ってきた調査・研究の価値を認めていただいたことを意味しており、私たちとしても非常にうれしく思っています。

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日本のみならず、アジア各国のエネルギー政策にも提言を

もちろん、当研究所のミッションがこれで終わったわけではありません。21世紀のエネルギー問題に取り組むため、これから私たちが取り組むべき新たな課題は大きく2つあると考えています。

1つ目は、日本国内の家庭における省エネをさらに推し進めることです。日本ではすでに家電製品の省エネ化など、技術的な面での対策は相当進んでいます。一方、家庭での省エネの意識はまだ十分高まっているとはいえません。省エネ製品を積極的に購入する、日常的なエネルギーの消費量を抑えるなど、一人ひとりにできる改善の余地は大いに残っていると考えられます。

そこで私たちは省エネルギー行動を促進するための研究を普及する活動に取り組んでいます。関係各位のご協力を得て、2014年から毎年「BECC JAPAN」という研究会議を開催し、省エネルギー行動や環境配慮行動に関する研究成果や実証事例を、専門分野や業種を超えて議論しています。この研究にはエンジニアだけではなく、心理学者や教育専門家など、「人間の行動」を研究するための幅広い分野のスペシャリストが参加しており、消費者の意識を動かす上で今までになかった効果が出せるのではないかと期待されています。実はすでに欧米ではこうした省エネルギー行動に関する研究が進んでおり、私たちとしてもその最新動向をキャッチアップし、我が国のエネルギー問題に貢献したいと考えています。

そしてもう1つの課題は、人口増加・工業化に伴いエネルギー消費量が急増しているASEAN諸国へのサポートです。当研究所は調査研究機関であると同時に、建築に精通した都市計画・農村計画の専門家集団でもあります。日本がこれまで培ってきた省エネ技術や省エネ制度を、現地の実情に適合するかたちでいかに活かしていくか。それを模索するため、現在当研究所の所員は積極的にASEAN諸国を訪問し、調査を行っている段階です。これからも国境を越えてエネルギーと住環境の研究を続ける当研究所を、どうぞよろしくお願いいたします。

住環境計画研究所

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