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長期発電実績に基づく住宅用太陽光発電システムの性能評価

 住宅用太陽光発電(PV)システムは近年急速に普及し、2015年3月末時点で190万件に到達しているが、その実性能は十分に評価されていない。
 本論文では4,000件以上のPVシステムにおける14万件以上の月別発電データをもとに性能評価を行った。
 主な結果は以下の通り。
・発電性能を表すシステム出力係数(PR)は、2013年度において平均0.829であり、設置時期が古いシステムほどPRが低い。
・設置後1年間のPR を設置時期別に比較すると、2004年度以前に設置されたPVシステム(n=80)のPRは、2012年度に設置されたPVシステムより12%低く、発電性能の向上が認められる。
・2004年度以前に設置されたPVシステムのPRは、設置後1年間から2013年度までの平均9.7年間において年率約0.6%低下している。
・2008年度以前に設置されたPVシステム(n=213)のうち、設置後1年間と2013年度の2時点間でのPR低下率が1%/年以上のPVシステムが約2割を占める一方で、ほとんど変化していない(PR低下率-0.2~0.2%/年)PVシステムも約2割ある。

論題:
 長期発電実績に基づく住宅用太陽光発電システムの性能評価

著者:
 鶴崎敬大, 湯淺和博, 中上英俊

掲載誌:
 Journal of Japan Society of Energy and Resources(エネルギー・資源), Vol. 37, No. 3, 2016年5月

論題
長期発電実績に基づく住宅用太陽光発電システムの性能評価
著者
鶴崎敬大, 湯淺和博, 中上英俊
掲載誌
Journal of Japan Society of Energy and Resources(エネルギー・資源), Vol. 37, No. 3, 2016年5月

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